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「方丈記」は、鴨長明が1212年に著した随筆です。冒頭で、世の中の無常さを川の流れに例えて表現します。その後、長明が体験した五大災厄（大火、辻風、遷都、飢饉、地震）について詳細に描写し、人生のはかなさを強調します。後半では、長明が都の喧騒を離れ、方丈（約3メートル四方）の庵で隠遁生活を送る様子が綴られます。自然との調和や簡素な生活の中に安らぎを見出す一方で、世俗的な執着から完全に解放されていない自身の矛盾にも気づきます。最後に、仏教的な観点から自らの生き方を省察し、執着のない真の解脱の難しさを悟ります。